「賃貸オーナー業」と「一人建売屋」

一口で不動産業と言っても、さまざまな業種があります。

大きく分けると、分譲、仲介、管理、賃貸の4つです。

それぞれの業種に従事するプレーヤーの気質も違っているように感じます。

分譲は「建売り」や「マンション分譲」などがあるのですが、ストックビジネスとは正反対のところに位置し、買ったり売ったりの繰り返しになります。

物件を途切れなく仕入れること自体が難しいし、また市況の波をモロに被(かぶ)るのもこの業種です。

マンション供給量ナンバーワンになった会社が、数年後に倒産した例がいくつもあります。

仲介は不動産営業の花形ですが、売買仲介や賃貸仲介があり、全国展開している大手はそのいずれかに特化しています。

居住用住宅や収益物件など、それぞれに専門があり、また地域に特化するという方法もあります(例として「街の不動産屋さん」)。

管理業はアパートや賃貸マンションやビルなどの管理を行います。

繰り返し業務を行うストックビジネスで、不況でも生き残るのはこの業種です。

賃貸業というのは賃貸(不動産)オーナー業のことで、大家さんやビルオーナーが該当します。

日本一の賃貸オーナーは三菱地所で間違いないでしょう。

分譲業では、営業マンを数多く雇い、借入れが大きく、物件仕入れの目標などを設定していると、破たんする確率が高いのですが、いい物件と出会った時だけポツンポツンと仕事する「一人建売屋」や「一人転売屋」であれば、案外息長く生存できそうです。

が、収益性や安定性の面ではイマイチなので、一方で不動産オーナー業を営み、日々の安定した収入はそこから得ておく必要があるかもしれません。