私は22歳の時から今日まで40数年間、不動産業に従事しています。
*
分譲営業や仲介業や賃貸業に携わってきたのですが、今は不動産オーナー業がメインのビジネスになっています。
*
若い頃は汗水たらして働いたり、いくつかの不動産事業を立ち上げたりしたのですが、不動産オーナー業というのは「不動産スゴロク」の「上がり」のような位置ではないかと、個人的には感じています。
*
自分が働かなくても不動産が稼いでくれるという、究極の不労所得とも言えそうです。
*
ただ、そこに行くまでが大変で、一部の不動産投資家のように借金を重ねて不動産を購入していくというやり方にはどうしても馴染めません。
*
「不動産投資は自己資金でやるべき」と喝破した人がいましたが、私もその意見に限りなく賛成です。
*
不動産オーナー業をしていると、どんどんお金が出ていく時期があります。
*
税金であったり、リフォームや修理や建て替えであったり、あるいは想定外の災害への支払いなどが、けっこう集中して出てくることがあるのです。
*
そういう時にスッと支払えるキャッシュを持っていないと、たちまち資金繰りに窮します。
*
だから普段入ってくる家賃などの収入に気を良くして、派手な生活をしていてはダメなのです。
*
ある人がテナントビルと賃貸マンションを所有しているのですが、大規模修繕の時期が来たのに、それに対応するキャッシュがなく、銀行からの全額借入れで修繕費を賄(まかな)いました。
*
20年間も不動産オーナー業をしているのに、その間の家賃は一体どこへ消えてしまったのでしょう?
*
手持ちのキャッシュをコツコツと積み上げていくというのは、不動産オーナーにとって極めて大事な仕事でもあります。
*
積み上げたキャッシュで、新しい収益物件を買えることだってあるのですから。