投資と借入れ

1億円の収益不動産を全額借入れで購入すると、
だいたいその1%の100万円が手元にキャッシュ
として残るようです。

その100万円が多いか少ないかは議論のあるとこ
ろで、ちょっと空室が出たり、滞納があったり、
修理費用がかかったりすると、途端に持ち出しに
なってしまいます。

無借金で購入していれば大概の「荒波」には耐え
られるのですが、これが全額借入れともなれば、
ほんの少しの横波でひっくり返ってしまうという
ことにもなりかねません。

ある不動産専門税理士が主催する、個人投資家
勉強会に参加したことがあるのですが、会全体か
ら「貧乏波動」が出ていました。

そこのメンバーは全員、いま問題になっている
「ス」銀行から借入れをしていました。

大手企業のサラリーマンともなれば属性がいいも
のだから、金融機関も安心して貸すことができま
す。

借りる方だって自分が持つ信用力に気分良くなっ
て、ついつい無理して収益不動産を増やしていく
「もっと買いたい」病に陥(おちい)るのです。

私も37年間ほど会社経営を行っていますが、大手
企業でも中小でも個人でも、破たんしていったの
はすべて借入れの大きいところでした。

借入れがなければ、そもそも破たんしようがない
わけです。

投資のための第一歩は「懸命に働く」と「お金を
貯める」に尽きるのではないかと思います。

その両方に合格点を取れないのに、投資などする
資格はないと思うのです。

群を抜いて仕事ができる人が、コツコツと一定の
軍資金をためてこそ、投資へのステップに移れる

わけで、最初は「無借金での不動産購入」くらい

でちょうどいいのではないかという気がしていま

す。