事業の目的は「キャッシュを増やすこと」に
尽きるのではないでしょうか。
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企業によって「シェア」や「売上」や「営業利益」や
「経常利益」や「税引き前利益」など、
増大させるべき目標があると思うのですが、
やっぱりキャッシュに焦点を合わせるのが一番です。
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売上が増えているのに、現金が手元に残らないというケースは
いくらでもあります。
というか、売上が増えるほど資金繰りが苦しくなることも
少なくないのです。
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売掛金の回収ができていなかったり、
不良在庫を抱えていたりすると、
途端にキャッシュが枯渇してきます。
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いろいろな考え方があると思うのですが、
私は「借入れは悪だ」と思っています。
逆に言えば、借入れしなくてもいい程度の大きさの
商売を心掛けるということです。
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「分相応」を忘れるから、会社がおかしくなるのです。
こんな簡単なことが、36年間も会社を経営して、
やっと今頃わかりました。
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B/Sに記載された利益は、まだ「夢まぼろし」のようなもので、
キャッシュになって初めて「現実」となるのです。
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製造業の設備投資や、装置産業の施設への投資などは、
借入れで賄(まかな)うのは仕方ないかもしれませんが、
運転資金や納税資金などを借入れに頼らざるを得ないのは、
経営姿勢においてどこか間違っていると思うのです。
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不動産を購入すると、減価償却という「現金が出ていかない経費」
が計上でき、これが節税に寄与する場合があります。
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が、一方、キャッシュが出ていくのに経費にならないものが
あります。
それは借入れの元本返済分。
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収益不動産を借入れで購入した場合、
元本返済分はキャッシュが出ていくのに経費になりません。
そのことをスコンと忘れていると、
あとあと資金繰りが大変になってきます。