コインパーキング事業

時代の変化や、自社が持つ経営資源(ヒト・モノ・カネ)の変化に対応していかないと、会社というのは長続きしません。
当社は創業72年なのですが、事業内容が結構変化しています。
一番大きな変化は建設業から不動産業に変わったことですが、不動産業になってからでもメインの業務がドンドン変化していっています。

売買仲介や賃貸仲介から、駐車場管理や賃貸管理に移行し、今はコインパーキングが稼ぎ頭になっています。
さまざまな業態を経験し、当社に合った経営というのが“やっと”分かってきました。
それはリピーターに繰り返しサービスを提供する(つまり売りっぱなしではない)「累積経営」。
また倒産しないための「無借金経営」。
そして人手に頼らない「非労働集約型」であり、最終的には「不動産オーナー業」の方向へと向かっていくというものです。

売買仲介業だと、前月に売上が上がったとしても、月が替わればまたゼロからのスタートになります。
好景気やバブルだと「とてつもなく」売り上げが上がるのですが、いったん景気が下降線を描き出したり、エース社員が退社したり病気したりすると、途端に契約が上がらなくなります。
経営的には甚(はなは)だ安定感を欠くのです。

その点、賃貸管理業は累積経営に属しているので、安定性は仲介業よりもグンといいのですが、労働集約型になります。
物件の管理よりも「人の管理」に手を取られるといった本末転倒の弊害が出てくることがあります。

コインパーキングは一種のロボットなので、人手がいらない「非労働集約型」です。
また、新規のコインパーキングをオープンしたならば、既存のコインパーキングの売上に、新しいコインパーキングの売上をプラスしていけます。
月が替わったら、またゼロからのスタートということは決してないのです。

コインパーキング事業でも、土地を地主から借り上げて行う方式と、自社で土地から購入する方式とがあります。
当社は「土地購入方式」で事業展開をしています。
そのメリットとしては、地代を支払う必要がないので粗利益が高いということがあげられます。
また(コインパーキング適地を探し、地主に提案する)営業マンが必要なく、事業がよりシンプルになります。
地主都合による(建物建築や土地売却のような)土地返還リスクがないということも大きなメリットと言えるでしょう。

逆にデメリットとしては、コインパーキング適地が市場に出てくるケースはめったになく、事業拡大スピードが非常に遅いということが挙げられます(私の経験では、年に1件購入できるかできないかぐらいのペースです)。
が、それ以上のスピードで物件が出てくると、今度は逆に資金繰りの方が追い付かなくなります。
経営的には、今ぐらいのペースが一番いいのかもしれません。