楽をして、楽しんで、儲ける

「楽をして(ついでに楽しんで)儲けよう!」と述べると、何か非道徳的なことを言っているようで顰蹙(ひんしゅく)を買いそうですが、本気でそうしていきたいと思うのです。
会社だって儲からない分野で「ウンウン」と唸りながら頑張っていても、資金繰りも苦しく、社員の給与も上がらず、社長も面白くなく、いいことは何もないわけです。

会社の事業を、できるだけ付加価値の高い分野に移行させていくのが社長の最も大事な仕事だと思うのです。
毎日「忙しい、忙しい」と言いながらルーティンワークに振り回され、そういった一番大切な仕事をスルーしていたのでは、会社の業績はいつまでたっても向上しません。

東京で不動産業を営む友人は、事業を収益不動産の仲介に特化しました。
仲介業は営業マンの腕によって業績が随分と違ってきます。
そこで友人は一番腕利きの営業マン(つまり自分)に案件を集中させるようにしました。
他の営業担当はその補助ということになります。

時間は限られているので、同じ仲介業を行うにしても、できるだけ手数料の多い案件を手掛けるようになります。
つまり付加価値の高い(即ちより儲かる)案件ばかりを扱うようになっていくわけです。
収益不動産の世界は独特のルートがあり、普通のマイホームなどを扱うのとは別の市場が形成されているようです。

東京の別の友人は60歳台後半のベテランなのですが、今まで培(つちか)ってきた知識と経験と人脈を最高に生かし、最も効率がよく儲かる分野は何だろうと考え「それは地上げだ」という結論が出たそうです。
小さな土地を一つ一つまとめ上げ、デベロッパーに売却するという仕事です。

ひょっとして「楽をして、楽しんで、しかも儲ける」ことこそが、本来の仕事なのかもしれません。
そのためにも自分の「好きな仕事」や「得意な仕事」に徹していくべきだと思うのです。
好きでもない儲からない仕事を歯を食いしばってやっていくのは、どこか間違っているように思うのです。