業界の今後とわが社の対策 その3

売買仲介は従来、街の不動産店が最も得意とする分野ではないかと思います。
ただしだんだんと大手仲介会社に押され、街の不動産店のシェアが減り続けているのは間違いがありません。
スーパーが出てきて、街の小売店の姿が消えていったのと同じ現象です。
街の不動産店は大手と競争するのではなく、自分の得意の分野に特化していくべきだと思うのです。

ランチェスターの法則ではないですが、NO.1となる地域や顧客層や特定物件を持たないと、今後の生き残りはなかなか難しいのではないかと思います。
あるいは独特の人脈づくり。
「売り」にせよ「買い」にせよ、依頼された案件をこなしていくのに精一杯という状況が案外一番いいのではないかと感じるのです。

売買仲介業において、紙媒体の時代は終わったようにも思います。
もし紙媒体を使うとすれば、自らの手でチラシを戸別に入れていく方法のみが有効。
あるいは現地看板。
看板の威力をバカにしてはいけないのです。

賃貸仲介も、全国大手のフランチャイズ店や地域大手の賃貸専門店がシェアの奪い合いをしています。
街の不動産店は、いっそのこと客付け業務をそれらの賃貸専門店に任し、自らは管理側(受託側)に特化していく方が、コスト的にも効率的にもいいのではないかと思います。
少なくとも、自社の管理物件の客付け業務は行うとしても、他社物件の仲介までは手を出さないのが正解であるのは間違いがないでしょう。

広告媒体は看板とインターネット。
紙媒体と比べ、コストがかなり抑えられます。
いずれにせよ、仲介業はリスクが少なく、また業務自体が将来的になくなることはないと思います。
街の不動産店の場合は「独自ルート」の維持管理と、一つ一つの仕事をキッチリとこなしていく姿勢が求められているのではないでしょうか。