業界の今後とわが社の対策 その4

不動産業務の一つである「管理」について考えます。
日本経済がへこみ、不動産業界が低迷していた間も、賃貸管理を中心に業務を行っていた不動産会社は元気でした。
管理収入は安定しているし、賃貸の周辺事業も多く、また賃貸管理業務は多額の投下資金が必要というわけでもありません。
不動産経営の優等生とも言うべき事業です。

管理物件をコツコツと増やしていくためには、時間と信用が必要です。
「食べていける」ところまで管理物件を増やすのが大変だと思います。
以前はハウスメーカーが建てたアパートの管理受託が出来たのですが、最近はハウスメーカー自体が管理会社を持つようになりました。
従って管理物件を増やすのが難しくなってきました。

賃貸管理はいかにシステマチックに低コストで運営していくかが、ひじょうに重要なポイントになると思います。
審査業務をアウトソーシングして、悪質入居者を最初の段階でシャットアウトしないと、他の入居者にもオーナーにも迷惑をかけます。
またパソコンの「管理ソフト」を導入し、いかに上手く活用するかが、賃貸管理の成否を決すると言っても過言ではないと思います。

管理業務は「累積経営」の一つですが、管理物件が増えると、人手を増やさざるを得ない傾向があります(当然ですが)。
どうすれば「人手のかからない累積経営」になるかが重要な課題でもあります。
そのためには、できる限り業務をアウトソーシングし、また「いい物件」・「いい顧客」を選択していくことが必要ではないかと思うのです。
顧客が会社を選ぶのは当然ですが、会社も顧客を選んでいかないと、「へとへと業務」からの脱却が難しくなります。

アウトソーシングを積極的に推し進めていき、どうしてもアウトソーシングできないものが、自社のコア部分ということになるのでしょう。
逆にコアの部分は徹底的に深堀りし、どこにも負けないノウハウを築いていくべきだと思います。
自分の頭で考えるだけでは限界があるのなら、積極的に最先端を行く会社に教えを請うべきだとも思います。
そのための勉強会。
勉強会参加の時間やコストは、管理会社にとっては「研究開発費」。
これをケチってはいけないのです。