分譲事業の中には、マンションだけでなく戸建の建売りもあります。
こちらの方が街の不動産屋には手頃です。
建売りは一人で出来る事業でもあります。
建売まで行かなくても、不動産の買取り転売ならもっと簡単です。
それこそ資金調達以外はすべてアウトソーシングしてしまえます。
仕入れ情報の入手も、あとの販売も、社内の営業マンゼロでも十分やっていけるからです。
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大きな案件の分譲事業だと、土地を仕入れ、建物を建て販売するまでに時間がかかり、相場が一段と下がる危険性があります。
プロジェクトをこなすのに2年も3年もかかっていると、もうそれだけで不動産価格が下がってしまいます。
デフレだからです。
15年から20年に一度、地価の上昇期があるように思うのですが、それ以外はずっと下落傾向。
デフレという大きな流れには勝てないのです。
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小さな案件だと販売までの時間が少なくて済むので、リスクは小さくなります。
しかしそんなに都合よく、いい案件がやって来るものでしょうか?
小さな案件を一つこなすと、それでおしまい。
後が続かないのです。
商売は一度きりではなく、継続してこそ価値があるわけです。
従って中小の不動産会社が分譲を会社のメイン事業にしてはいけないという結論になるのです。
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ただし、たまに(何年かに一度)入って来る営業エリア内の「いい案件」に関しては、積極的にかつ慎重に取り組んでいけばいいと思います。
「いい案件」とは、自社の尺度にあった得意分野の案件のことです。
営業担当をかかえ、他地域の案件まで積極的に取り込んでいくのは、けっして経営的には良くないと思うのです。