投資不動産市況

不動産市場(特に投資用不動産)には「潮目が変わった」と思える時点があります。
今回の不動産ブームの潮目は昨年の末に変化していると、東京で不動産業を営んでいる友人が教えてくれました。
投資用不動産は、銀行の融資意欲や金利によって大きな影響を受けます。

経済にはバブルと呼ばれる状態や、逆に「失われた20年」と呼ばれるような長期の不況があったりします。
私が学生時代の時に、田中角栄の「列島改造バブル」がありましたが、私はプレーヤーとしては、このバブルには参加していません。

実際に現役のビジネスマンとして大いに参加したのは「90年バブル」でした。
私は30代前半でした。
従ってまだそんなに信用もなく、そのおかげで銀行からの借り入れも多くはなく、生き残ることが出来たというしだいです。

団塊の世代はその時30代後半にさしかかり、まさに「働き盛り」。
従って勢いがあり、その勢いのままバブルに突入した人が多かったように思います。
結果、かなりの人が討死となりました。

失われた20年を経て、2005年頃から東京を中心に「ミニバブル」が発生しました。
90年バブルは日本全国の不動産が値上がりし、また不動産だけでなくゴルフ会員権や絵画なども値上がりしました。
これに対し「不動産ミニバブル」は東京中心の不動産のみでの現象であり、また不動産以外へのバブル波及はなかったように思います。

私は宝塚市で不動産業を営んでいますが「ミニバブル」は宝塚には全くかすりもしなかったことを覚えています。
この不動産ミニバブルはリーマンショックとともに消え去りました。
バブルによる「いい目」もしなかったかわりに、バブルが崩壊しても何ら痛手を蒙(こうむ)ることもありませんでした。

今も個人投資家を中心とした不動産ブームが起きています。
不動産投資は金融と大いに関連しています。
金利や「融資の緩和」などが続いている間は、不動産投資は堅調なのかもしれません。

が、私の東京の友人によると、収益不動産に積極的に融資していた金融機関が、昨年の秋ごろから融資に慎重になり始め、これまで通っていた審査内容でも、追加で担保を要求したり、自己資金率を高めることを求め出したりしているそうです。

ひょっとしたら不動産投資ブームに黄信号が灯(とも)ったかもしれず、そのことを察知して、株が先行して下がっているのであれば、ちょっと危険でもあります。