上場企業の株主総会

駐車場ビジネスで日本のトップ企業の株主総会に行ってきました。
ここ3年連続で行っているのですが、とても勉強になり、飛行機代を使って、わざわざ東京まで行く価値があるのです。
その会社は初代の創業者が日本で初めてコインパーキングを導入し、それを今の2代目の社長が大きく発展させているといった構図なのですが、能力的には今の2代目社長の方が上かも知れません。

株主総会が始まるまでの会場の空気はピリピリした緊張感に包まれています。
業績の悪い会社や不祥事を起こした会社だと、よけいに厳しい雰囲気が漂うに違いありません。
上場企業の社長や上席取締役にとって、株主総会を乗り切ることは、相当にエネルギーを消耗する仕事ではないか感じます。
株主総会に参加するごとに「上場などするものではない」と思ってしまいます。
起業家にとって上場は一種の勲章ではありますが、その勲章が段々と重くなって負担になることもあるわけです。

その駐車場ビジネス会社の昨年の売上げは1,400億円で、経常利益は173億円。
いずれも過去最高です。
その会社のコインパーキング事業は1日3億円の現金収入があるのです。
毎日3億円ものキャッシュを回収している会社は、ほかの業種を見てもあまりないのではないでしょうか。
売上の一部を手形などでもらう事業とはわけが違います。
究極の現金商売であり、こういったキャッシュフローの構造的なメリットは、B/Sを見ているだけでは分からないかもしれません。

コインパーキングの機械設置やカーシェアリングの車両購入のため、有利子負債もないことはないのですが、支払利息は1%を切っているようで、こういった伸び盛りで優秀な会社には、銀行も有利な条件でこぞって貸したがるのでしょう。
もしこの会社の有利子負債がゼロになったならば、上場企業の中でもトップテンに入る優秀な企業(推奨銘柄)になるはずです。

正社員は現在1,600名。
このままの調子だと、まだまだ増えるに違いありません。
また優秀な学生が、こぞって就職を希望する会社にもなりそうな感じがします。
「採用の失敗は教育では取り戻せない」ので、いかに優秀な人材を採用できるかが、会社発展の大きな要因ともなります。
その会社のテレビCMは一切見たことはありませんが(たぶん全くやっていないと思います)、街中で見かけるコインパーキングの看板で、学生の間でも知名度は抜群なのではないでしょうか。