上場企業の株主総会 ②

コインパーキングのトップ企業のお話の続きです。
その会社の1株当たりの配当は35円。
今回決算での1株当たりの利益が67円なので、配当性向は52%。
約半分を内部留保にし、あとの半分を配当に回しているわけです。
配当性向は普通の場合30%ぐらいなので、この会社の場合はかなり高いと言えます。
余計な現金は内部留保せず、配当に回してしまうというのが会社の方針なのだそうです(株主にとってはありがたい話ですが)。
コインパーキングは在庫がないビジネスなので、そういった余裕も出てくるのかもしれません。

この会社の強みは「強力な営業力」。
コインパーキングの開拓に関しては、すべて地主への直接のアタックで、不動産会社を通して紹介を受けるというような営業ではありません。
積水ハウス」や「大和ハウス」などの住宅メーカーも、かなり強力な営業会社ですが、このコインパーキング会社にもそういった雰囲気を感じます。

B/Sの負債の欄には「長期前払い費用」というのがあります。
これは駐車場の設置工事費のことで、5年で償却しているそうです。
「長期借入金」は常に借換えしており、カーシェアリングのクルマの購入代金に充てているとのこと。
なぜリースではないのかというと、クルマを現金で買うと、途中、中古車で売ることが出来るためだそうです。
確かに人気車種を揃(そろ)えておくことは、カーシェアリングにとって大事なことだと思います。

地震等のリスクヘッジとして、1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)で50%を超えないようにしているとのこと。
また震災等で駐車場として継続できない場合は、土地借り上げを解約できる契約となっています。
海外は韓国と台湾で、それぞれ1万台ぐらいのコインパーキングを展開中。
日本国内では50万台のコインパーキングを目指しており、この勢いだと早々に達成してしまいそうです。

公共施設等の大型駐車場の運営も、最近は増えてきているわけですが、今後は小さな駐車場を数多くつくる方針のようです。
利用者が停めたいところにコインパーキングがある状況を目指しています。
カーシェアリングのクルマはすべて既存のコインパーキングに置いており、コインパーキングの数が増えることは、即カーシェアリングの拠点が増えることでもあります。