尊敬する経営者の出社時間は朝6時半

宝塚市の企業で上場しているのは2社くらいではないかと思うのですが、そのうちの一つが自動車への機材を製造するH社。
一般には目につかない製品なので、会社の知名度はそんなに高くはないかもしれません。
社風も地味です。

しかしながら中身は相当優秀で、財務内容も製造業なのに有利子負債ゼロという立派なものです。
社長は私よりも15歳年上ですが、偉ぶるところがなく気さくにお話ができ、少なくとも宝塚市の経営者の中では私が一番尊敬している方でもあります。

北米やアジアに工場を持ち、超お忙しいはずなのにフットワークもよく、一人でホイホイと動かれることにも感服しています。
社用でゴルフに行かなければならない時も、行きは社用車に乗るのですが、帰りは電車で帰ってこられるのだそうです。

先日、その社長と色々とお話しする機会があったのですが、毎朝6時半に出社されているとのこと。
それを聞いただけで好業績の秘密が分かったような気がしました。
従業員1万人の会社の社長が一番乗りするわけです。

「朝、カギも自分で開けられるのですか?」と聞いたところ、守衛が泊まっているのでそれはしないとのことでした。
社長が一番早く会社に出てくると、取締役や管理職も当然早く出社するようになります。
8時半が始業時なのですが、社長はそれまでに幹部社員に指示をすべて済ませてしまい、1日のメインの仕事は始業時までに終わってしまうとのこと。

管理職以上は土曜日の午前中も出社し、会議などはすべてその時間にするのだそうです。
土曜日は電話もかかってこないので、ある意味、非常に効率がいいということです。
平日の会議は認めておらず「評判が悪いんですよ」とは社長の弁。

地味な会社なので最初から優秀な学生が入社してくるわけではなく、その分、ほかの優良企業の社員よりもたくさん働かなければいけないとの哲学。
たぶん日本経済はこういった会社に支えられているのだと思います。

トップが早朝から真っ先に出社する会社は業績がいいというのは、あまりハズレのない法則なのかもしれません。
私も朝は早い方なのですが、鍵山門下生としては掃除を外すわけにはいかず、そうすると実際に仕事を始める時間はずっと遅くなってしまうわけで、この辺が痛し痒しなのであります。