大文明を築いた民族はいなくなっている?

かつて大文明を築いたエジプトやローマや中国で、今なおその精神がそれらの地で引き継がれているかといえば、決してそんなことはないというのは、それらの地を訪れてみればよく分かることです。

私にとってのエジプトは「観光客ぼったくりエリア」の印象のみがあります。
フィレンツエの美術館職員の「いいかげんさ」を見て、第2次世界大戦で日本が負けたのは「こんな連中と一緒に戦ったせいだ」という思いに駆られました。
中国人観光客のあまりのマナーの悪さにガックリし中国語学習を放棄した私でもあります。

そこで一つの仮説が浮かび上がってきます。
それは「かつての大文明を築いた民族は、ひょっとしたら既に滅びてしまっており、今は全く違う人種がそれらの地に住んでいるのではないか」というものです。

かつて経済的に大いに繁栄したカルタゴという国は、ローマの「嫉妬」により滅ぼされ、民族自体も土地から強制排除され滅亡してしまいました。
今そこにあるチュニジアという国には、当時とは全く違う人種が住んでいます。
それは歴史的にもハッキリと証明できることです。

中国でも本来の漢民族は幾たびもの動乱の間に消えてしまったのではないかと思われる節があります。
隋の皇帝がもう既に異民族だったと読んだことがあります。
近年の中国の歴史だけを見ても、少なくとも清や元は異民族によって作られた国家でした。

後世、同じようなことがアメリカについても言われるのではないかと感じるのです。
アメリカは良くも悪くもWASP(ワスプ)の国でありました。
ピューリタンが宗教的情熱を持って北米大陸に渡り、宗教をその柱として作り上げた「宗教国家」がアメリカでもあります。

WASP(ワスプ)とは、ホワイト・アングロサクソンプロテスタントの略で、アングロサクソン系の白人で、宗教はプロテスタントというものです。
かつてアメリカ大統領はケネディを除くとすべてプロテスタントで(ケネディカトリック)、ワスプでないとアメリカ大統領になれないと言われてきました。

ところが今のオバマ大統領は、母親は白人ですが、容姿はアフリカ系。
しかもミドルネームが「フセイン」です。
また憲法を守る立場にある連邦最高裁判所の9人の裁判官のうち、現在ワスプは一人もいないのだそうです。
出生率は非白人系のほうが圧倒的に大きいので、今から1,000年くらいたったら、ワスプは完全にマイノリティになる可能性があります。

つまり今のエジプトやローマや中国と同じような現象が、アメリカでも起こるリスクが高いということなのです。
今から2千年後の人が「かつて建国以来、たった200年で世界一の国になったアメリカという国があった。それをこしらえた民族と今の住民たちは、ひょっとしたら全く違う人種ではないだろうか?」という、今の私と同じような疑問を持つ可能性が十分にあるのです。