「上機嫌力」と「ちょこっと始め」

年齢を重ねると、段々と分かって来ることも多いのです。
筋力や持久力や回復力という意味では20歳代がベスト。
総合的な体力という意味では30歳代がピークだと思います。
が、頭に関しては40歳代、50歳代と年々良くなっていっているという実感があります。

若い頃には持ち合わせていなかった考え方や思想や哲学を、年いってから修得することも多いのです。
「会社の業績なんて、経営者の考え方一つでどうにでもなる」というのも、ここ1,2年で学んだことです。
おかげでまわりの不況感に振り回されずに、悠々と経営していく方向が見つかりました。
ポイントは2つ。
一つは「自社の得意技をいかに磨いていくか」であり、もう一つは「いかに他社と競合しないニッチ市場を見つけるか」であります。

「上機嫌力」という考え方も最近知りました。
「上機嫌力」とは極めて機嫌のいい状態を保持していく生き方のことですが、私もただ今実践中です。
「上機嫌力」全開だと、まず自分自身が気持ちいいし、まわりの人も快適です。
不思議と言っていいのか、当然と言っていいのかわかりませんが、いいことがどんどんやって来るのです。

ただこれは上機嫌力だけの力ではなく、先日お参りした伊勢神宮のご加護かもしれません。
それを見極めるのにはもう少し時間が必要ですが、ひょっとしたらその両方の効果が相乗的に出ているのかもしれません。
いずれにせよ上機嫌力を知ったことは、人生の後半戦に大いにプラスになりそうです。

ちょっと心理的にハードルが高い知的作業があるとします。
やらなければいけないのに、全然手を付けられない状態の時、まずは目をつぶってほんのちょっぴりやってみるのです。
最初の1%を取りかかってさえしまえば、道は半ば進んだと同じことなのです(少なくとも心理的には)。
ちなみにこれを「ちょこっと始め」と名づけます。

語学は語彙力だと気がついているのに、なかなか単語帳(単語の本)を開き始めることが出来ないでいました。
先日、この「ちょこっと始め」を単語帳に応用してみたのです。
わずか2ページを始めただけなのに、それが突破口となり、ポツポツと時間の合間に単語帳を読み進めるようになったのです。
全部のページを捲(めく)るのに、たぶんそんなに時間はかからないはずです。
つまり勝負は最初の2ページだけだったのです。

この「ちょこっと始め」を原稿書きにも応用しようと思っています。
書き始めようとしないから、原稿が書けないのです。
わずか3行でもいいからまずは書いてしまうことだと悟りました。
その日は3行でも、書いたことにより心理的バリアが取れ、気持ちが乗ってきて、そのあと勝手にドンドン書き足していくのは間違いありません。
この「ちょこっと始め」の威力を、ちょっと本気で色んなことに応用してみようと思うのです。