失業率とヨーロッパ経済

不況もしくは恐慌がどれぐらい酷(ひど)いかを知るには、失業率を見るのが一番いいのかもしれません。
1929年の大不況の時は、アメリカの失業率は25%でした。
今の日本が5%ですから、とんでもない数字です。
ところが今のEUPIIGS各国を見ると、例えばスペインでは失業率25%、若年層に限って言えば50%を超えているのです。
これから言えば、完全に恐慌状態ですよね。

海外へ行っても、正直なところ不況かどうか、よく分からないのです。
この夏にハンガリーブダペストに行ってきたのですが、観光客で活気を呈していました。
確かハンガリーは、かなり経済の状態が悪いと聞いていたので、ちょっと意外な感じもしたのですが、昼間に若いホームレスを2日間で計3人も見かけ、それがハンガリー経済の具合の悪さを表していたのかもしれません。
ホームレスを見かける回数は、その国の経済状態の指標の一つに挙げられるかもしれないと思います。

ヨーロッパには大きく分けて、3つの民族がいます。
ゲルマンとラテンとスラブです。
ゲルマンの国はドイツを始め好調です。
ラテンの国はガタガタ。
スラブの国は、そもそもEUにあまり加盟していないように思います。

ヨーロッパ経済が全部悪いのかと言えば、そうでもなく、勝ち組と負け組にクッキリと分かれています。
スペインの失業率は25%ですが、ドイツのそれは5%。
バイエルンなどの南ドイツに限れば、失業率は3%なのだそうです。
3%だと不況どころか、むしろ人手不足の感があります(日本のバブルの時もそうでした)。

ドイツ人は節約家が多いので、国内需要だけでは産業がやっていけないところがあり、勢い輸出に力を入れるということになります。
ドイツの商品と言えば、反射的にベンツやBMWが浮かびますが、これらの自動車は世界中で一流(もしくは超一流)の評価を得ています。
世界中の富裕層が競って求める商品があるというのは、極めて強い経済と言えましょう。