世界経済を見る

世界経済に目を向けてみたいと思います。
まずはEU
基本的には、日本の「失われた20年」と同じような動きをしていくのではないでしょうか。
日本でも銀行の不良債権問題が経済の足を引っ張っていましたが、やはり金融機関がいくつか潰れていくのだと思います(もう既に潰れているのかもしれませんが)。
ドイツ経済だけは一人勝ちの様相を呈していますが、足腰の強い製造業が経済を支えています。
ドイツは第2次世界大戦で軍事的な野望は達成できませんでしたが、今や経済でヨーロッパをその勢力下に置いた感があります。

ドイツでも「ヒポ銀行」は、リーマンショックのあと政府に救済されたのですが、今でも経営危機が続いているようです。
フランスの銀行は大手が3社あるらしいのですが、すべてかなり具合が悪いと聞きます。
PIIGS」の国々金融機関は、いずれも青息吐息ではないかと推測されます。
ヨーロッパの金融商品に、当面手を出さないというのは当面の鉄則です。

中国もかなり危ない状態だと思うのです。
中国経済を支えていたのは、輸出と不動産なのですが、両方ともおかしくなっています。
中国の輸出先ナンバーワンは実はヨーロッパだったのですが、その欧州経済がガタガタになりました。
またアメリカ企業も中国での生産をやめ、アメリカでの製造に切り替えています。
人件費の高騰が主な理由に挙げられているのですが、案外中国動乱に備えた動きではないかという気がするのです。
日本企業でも、製造・販売ともに中国にあまりに依存しすぎているところの株は「売り」だと思っています。

アメリカ経済はむしろ好調です。
ニューヨークダウ平均も高値を更新しています。
経済指標の中では、失業率の増減が重要視されていますが、好景気が戻ってきても案外失業率は減らないのではないかと感じています。
企業は人を減らしても利益を出せる体質にしているからです。
個々の企業が体質改善を行って、より少ない人員で大きな利益を出せるようにすることと、アメリカ経済全体の失業率が減少することは、必ずしも一致しないのです。
これも一種の「合成の誤謬(ごびゅう)」(経済用語)と言えるのではないでしょうか。

一時は持てはやされたBRIKSですが、世界経済を引っ張る機関車にはなリ得ません。
資源大国であるロシアなどは、アメリカのシェールガス革命で大きな危機を迎えています。
北方領土問題を含めて、ロシアが日本に急接近しているのも、その辺に原因の一端があると思われます。

日本は経済が回復しては政府が失政を行い、またダウンするということを繰り返してきました。
せっかく経済が上向いてきているので、そのままそっと見守っていくのがいいと思うのです。
そういう意味では消費税の増税が、経済悪化の起点にならないか心配しています。
ハイドロメタンガスへの思い切った投資は、日本経済が再び世界一を狙うカギであることは間違いありません。