会社繁栄「掃除道」 その23

当社は不動産会社なので、賃貸物件も扱っています。
一度空室になってしまうと、次の入居者がなかなか見つからないケースがあります。
長い間空けていると、段々とホコリが目立つようになり、汚くなってくるのです。
一戸建ての場合は雑草も生えてきます。
そうすると案内してもお客さんが決まらなくなり、また物件もますます汚くなっていくという悪循環。

いい物件なのに3か月以上空いているものを、順番に掃除していくことにしました。
「やれインターネット」や「やれ販促」やという前に、基本的な掃除ということを忘れていたように思います。
空き室の掃除というのは、オーナーもしないしリーシング業者もしないという一種のエアポケットなのです。
幸い掃除は得意の分野なので、スタッフと私の2人で掃除に取り掛かることにしました。

まずは手始めに近くの分譲マンションの一室から始めてみました。
当社から歩いていけるところなので、掃除機とバケツを持って現地へ。
やはり所々(ところどころ)汚れが目立ち、案内されても「ここに住みたい」という気持ちにはなりにくいだろうなと感じました。
いつもは会社や自宅など、そんなに汚れていない所ばかりを掃除しているので、汚いところを掃除するのは普段と勝手が違います。
雑巾などでも一度拭いたら、もうそのまま使えなく程ドロドロになる場所もありました。

掃除をやり始めると、いくらでもやるべきところが出てくるという側面があります。
そこで汚れの目立つところを、重点的にキレイにしていくことにしました。
窓ガラスなどは1度や2度拭いただけでは不十分だということが分かりました。
雑巾で2回拭き、ガラス洗剤でもう一度乾拭き(からぶき)しないとピカピカにはならないのです。

空き物件の掃除をする場合、切りがないので、最初に掃除の時間を決めてしまう必要があるようにも感じました。
2人で行うので、次からは「30分」と決めて集中して行うのがいいように思います。
30分であればイヤにならないし、実際けっこうキレイになるので、次へのモチベーションにもつながります。
あまりムリして掃除がプレッシャーになり、苦痛になると続かなくなってしまうので「ぼちぼち」が一番いいのかもしれません。

掃除をするとオーナーにも喜んでいただけます。
家賃を下げる提案などにも耳を傾けてもらいやすくなります。
掃除をすると、私どもも愛着が湧いてきます。
百発百中とはいかないかもしれませんが、掃除をすると次の入居者が決まりやすくなることだけは確かだと思います。