ビートの話 その4

当家のワンちゃんは、初代がキアヌ、2代目がカノン、そして今3代目のビートがおります。
すべて室内飼いのラブラドール・レトリバーです。
もともと人懐っこく、また表情が豊かなレトリバーなので、一緒に暮らしていると完全に家族の一員となります。

キアヌとカノンは女の子だったのですが、今のビートは男の子。
やはり男の子の方が骨格がシッカリしているようです。
カノンとビートは顔がよく似ており、写真だと見分けがつきにくい時があるのですが、カノンの方が全体的に丸い感じがします。

キアヌもカノンも散歩では、あちこちでクンクンし、なかなか前へ進まないところがあったのですが、ビートはグングン前へ歩いていきます。
従ってビートとの散歩は心地よく、私自身も十分に運動が出来るのです。
女の子と男の子との違いは、こんなところにもあるのではないかと感じます。

ビートはカノンに比べ抜け毛が少なく、ひょっとしたら介護犬として、そういった個体が作られてきたのかもしれません。
盲導犬や介護犬だと、ワンちゃん自体に手入れがかかるようだと困るからです。

盲導犬の施設から介護犬の施設に譲られた3頭の兄弟の一人がビートです。
ビートは興奮すると吠えるクセがあり、それで介護犬をドロップアウトすることになりました。
1歳ぐらいまでボランティアの普通の家庭で育ててもらい、そのあと介護犬の施設に移りました。
介護犬不適格の判断をされたあと、一時また別のボランティアの家庭でお世話になったそうですが、ほかのワンちゃんと比べ、甘えたり心を開いたりすることが少なかったようです。

カノンは生まれてすぐに我が家に来て、ずっとそのまま暮らしたので、天真爛漫で心に屈折したものは一切ありませんでした。
その点ビートは、いろんなところへ行かされているので「一体自分の本当の家はどこなんだろう?」という“わだかまり”が心のどこかにあるのかもしれません。
当家に来ても最初は「またどこかに移されるのではないだろうか」という気持ちが見られ、しばらくは落ち着きませんでした。

しかし1か月たち、今ようやく「ひょっとしたらここが自分の家なのかもしれない」と思うようになってきたような感じがします。
私たち夫婦が飼えるワンちゃんは、私たちの年齢から言ってビートが最後かもしれません。
ということで、ワンちゃん中心の生活がまたスタートしたというわけです。