カントリー・ジェントルマン

『知的生産な生き方』(鎌田浩毅・東洋経済新報社・1,400円)で、非常に参考になる「生き方コンセプト」を見出しました。
少し引用させていただきます。

「私の好きな言葉に『カントリー・ジェントルマン』というものがあります。
普段は田舎で静かに暮らすイギリス紳士ですが、いざというときに国家へ貢献する男たちです。
事が起こって求められれば、彼らは私利私欲から離れて献身的に働くのです。
しかし役目が終われば、サッと田舎に退いてまた晴耕雨読の日々に戻ります。
終戦後の日本で活躍した白洲次郎ロールモデルのように言われることもあります。
中央で忙しく働き続けていたのでは得られない優れた見識が、カントリーでの知的な生活で養われるのです。
カントリー・ジェントルマンは、政治経済文化の中心から適度に離れた場所で世界の情勢を眺めています。
ゆったりとした生活を営みつつ、眼光鋭く世の動きを予見するのです。」

まさに今後の自分の生き方の目標そのものです。
一旦緩急あれば「お国」のために自分の能力を最大限に活かす心構えを持ち、常に専門能力とインテリジェンスを磨くことを怠らず、ゆとりのある経済的基盤を築いておくわけです。
イギリスのジェントルマン階級は単なる旦那衆ではなく、知的文化をも引っ張っていくインテリでもあったようです。
渡部昇一先生の著書で「イギリスの辞書は地方のジェントルマン階級によって形作られていった」というような記述があったように記憶しています。
イメージ的には、例えばパソコンソフトのリナックスが、世界中のITボランティアによって年々進化していっているようなものでしょうか。

生き方の質を追求し、インテリジェンスを最高に高め、しかしながら国士としての一面も常に持ち合わせるような生き方。
白洲次郎ならそこにダンディズムが付け加わったり、あるいは士族ならばサムライ・スピリットが付け加わったりするのだと思いますが、私自身は「信仰」を最も大切なものとして考えたいと思っています。
神道への信仰を、カントリー・ジェントルマンの道のなかで深めていきたいと願っているのです。