先代が大きく事業の手を広げたところで時代が変わり、それに対応しきれない状態で2代目が跡を継ぎ、えらい目にあっているという話をよく聞きます。
それを見事に立て直したという、2代目の実体験を本でもよく読むのですが、うまく再建したところでM&Aで売却という例が多いようです。
さんざん苦労しながら2代目は頑張っても、3代目がそのあとを継ぎたがらないのは当然かもしれません。
不動産業界でも3代続いているというところをいくつか知っています。
たまたまかもしれませんが、代を重ねるごとに優秀になっている例が少なくありません。
初代は街の不動産屋として基盤を築き、2代目はそれを地域ナンバーワンに仕立て、3代目はITの活用などで、より効率的で高収益な会社に変身させています。
私が知っている限り、どの後継者もシッカリしていて頼もしいのです。
最初は少々頼りなくても、後継者には会社を引き継ぐという「覚悟」があり、その覚悟が人間的な成長をさせるのだと思います。
先代が頑張り、あまりに会社を大きくしすぎたり、上場させたりすると、今度は2代目の器では手に負えない規模にまでなってしまい、ファミリーとしてはそう幸福な状態とは言えなくなるケースもあります。
このへんは、その人の仕事観や人生観の問題で、何が正解かは一概には言えません。
仕事が大好きで、仕事をやめたら2週間で廃人になる自信のある経営者も、世の中にはたくさんいることを知っています。
能力が明らかに落ちているのに、本人だけがそれをわからず、老害になるケースも少なくありません。
そんな時は自分の小さな会社を別に作って、そこに「全力投球」し、やりがいと多少の収入を得るのがいいのかもしれません。