「何をするか」と「何をしないか」

「何をするか」を決めることも大事ですが、「何をしないか」を決めることはもっと大事かもしれません。
会社の事業でも、長い時間の中で様々なことが付け加えられてきていると思うのです。
その中には、たぶん取りやめた方がいいことも随分あると思うのです。

個々の仕事でも、やらなくてもいい仕事を一生懸命やっているなんてことがいっぱいあると思うのです。
前任者から申し渡された書類の作成を、残業までしてやるのだけれど、出来上がったその書類を実は誰も見ていないなどということが結構あるのではないでしょうか。
仕事の棚卸が必要なのです。
事業の見直しもしなければなりません。

カー用品メーカーなのに携帯電話まで店頭で売り、事業のコアに集中できず、業績を悪化させた会社があります。
社長が替わり「自分たちの得意分野だけに事業を絞ろう」と、一番得意だったタイヤ交換に経営資源を集中させました。
結果、見事に業績が回復した例があります。

GEはジャック・ウェルチというCEOのもと、その分野で1番か2番になっている事業だけを残し、あとの事業からは撤退してしまいました。
これが見事に功を奏し、GEはあっという間に最優秀企業の一つに返り咲きました。
これなど「何をするか」よりも「何をしないか」の典型例です。

当社も「しないこと」をいくつか決めています。
「分譲をしない」、「建築をしない」、「エリア以外の仕事をしない」等々です。
もう少し細かいところまで決めているのですが、「しないこと」を決めた途端「すること」がハッキリ見えてきたのも事実です。

「しないこと」を削除して残った「やるべきこと」に会社の経営資源を集中させたいと思っています。
「やるべきこと」をいかに効率的にやっていくかに知恵を絞りたいと思っています。
ケチケチしたコストダウンは面白くないのですが、工夫して根本から変えるコストダウンは一種のイノベーションでもあり、ちょっと大げさに言えば、世の中を変えていく原動力でもあります。