以前カノンが健在だったころは、夜寝る時、布団の中に一緒に潜り込んで来ることがありました。
ただしカノンは途中で暑くなるのか、短時間で布団から抜け出し、そのあとはソファの上で寝ていました。
布団で一緒に寝るようなことをしていると、そのワンちゃんが亡くなった時、足腰が立たないぐらい悲しいだろうなと思っていたのですが、やはりその通りでした。
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今のビートは2日に1回は私の書斎で一緒に寝るのですが、最初からソファの上へ行き、布団に潜(もぐ)ってくるなどという「甘えた行動」は今まで全く取りませんでした。
ところが昨日は私の布団の上のド真中で寝たのであります。
電気毛布を使用しているので、暖かくて気持ちよかったのかもしれません。
しかしビートが布団の上でドンと座ってしまうと、肝心の私が布団の中で寝られないのです。
無理やり布団の中に入って寝たのですが、使えるスペースはいつもの半分。
ちょっと苦しいのですが、ビートと一緒に寝ているという充実感の方が上回っておりました。
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先日呉(くれ)で実際に使っていた本物の潜水艦の中を見学する機会がありました。
寝るところは3段ベッドで、訓練しなければスッと入られないぐらい狭いのです。
ビートと寝ていて、それを思い出しました。
そういえばカノンと一緒に寝ている時も、あまりの狭さに寝苦しかった記憶がよみがえってきました。
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前のカノンは赤ちゃんの時から我が家にやってきたので、自分が家族の一員であることを露ほども疑うことなく、天真爛漫でありました。
ビートは1歳半になってから初めて我が家にやってきました。
それまでいくつかのご家庭や施設を転々とした経験もあり、何事にもちょっと遠慮気味で、もっと言えば“やや”不信感のようなものを持っていたようにも思います。
が、時間が経つにつれ、ビートとの心理的距離感が縮まってきたのを感じます。
ペットと暮らす醍醐味の一つでもあります。