選挙結果を見てみて

4年前オバマ大統領が誕生した時、私の英語の先生だったアメリカ人男性が、ガックリと肩を落としていました。
そのことを他人事のように思っていた私ですが、そのすぐ後に日本でも民主党政権ができ、同じような気持ちを味わうとは思いもしませんでした。
自民党がさまざまな失敗をし、民主党に風が吹いたからです。
「国を憂う」という気持ちが本当に分かったのは、その時が初めてでした。
懸念通りに、民主党の3年数か月で日本はドンドン悪くなっていった感があります。

今回は民主党に「超」逆風が吹き荒れ、閣僚18人のうち8人までもが落選するという惨敗となりました。
株価はすぐに反応し、久しぶりに1万円超えを狙える日経平均となっています。
自民党がいいというより、民主党が酷(ひど)すぎたという方が真実に近いと思うのですが、この大逆風の中でも、小選挙区で当選している「名前も聞いたことがない」民主党の当選者がいるのにはスゴイと驚きました。
よほど地元で足腰が強いに違いありません。

近畿に限って言えば、まず自民党が当選。
次に維新が続き、現職である民主党候補が3位に留まるというケースが多かったように思います。
現職が次点にも入れないというのは、ちょっと考えられない事態でもあります。
民主党の総理経験者の中でも、野田さんはさすがに堂々の1位当選ですが、ほかの一人は出馬棄権(出ていても多分落選していたのではないかと思われます)。
またもう一人も小選挙区で敗れ、比例でやっと復活しました。
理経験者が比例にも名前を連ねるのは、何か潔くない気がします。
相撲の横綱だって負けがこめば引退しかないじゃないですか。

今回の選挙で感じたことは、全般的に候補者が随分若返ったことです。
自民党も前回大敗北しているので、今回は顔ぶれが変わり、各選挙区ともフレッシュな印象を受けました。
今までは自民党の古手が幅を利かし、若い優秀な人たちが自民党から立候補できず、民主党に流れるという傾向がありました。

過去3回の衆議院選挙で、自民⇒民主⇒自民と、それぞれ圧勝(あるいは惨敗)したわけですが、これはある意味、小選挙区制の恐ろしいところでもあります。
40%の得票率を取れば、70%の議席を取ってしまえるのです。
私自身は中選挙区制の方がよかったのではないかと思っています。

それにしても現職で落選した人たちはどうするのでしょうか?
次回の選挙に出るにしても、少なくても3年ぐらいは無職ということになります。
あるいはもう選挙に出ないのであれば、何か職を探さなければなりません。
しかし私が直接知っている落選議員の顔を思い浮かべても、つぶしが効かず、今さら何も出来ないのではないかと感じるのです。
弁護士の資格を持っているか、板前の腕があるか、散髪の職人でもなければ、早々すぐに次の職が見つかるとは思えないのです。

ということは、自己顕示欲に駆られて議員になるのも、ちょっと考えものだということになります。
「上場と議員とは目指すな!」というのは、少し言いすぎでしょうか?
自分の持ち場を深く掘り下げ、地道にコツコツと努力していくのが一番賢いのではないかと感じています。