不動産の所有と処分

「中小企業金融円滑化法」が来年3月で終了します。
全国での競売新規申立件数は、2009年は67,577件、2010年は51,278件、2011年は43,596件で、2年間で35%もの減少をしています。
この間株価は10%の下落、地価も10%の下落をしているので、景気が回復したから競売が減少したとは言えません。
明らかに「金融円滑化法」の影響があったと考えられます。

金融円滑化法は企業経営の抜本的な改善をもたらすものではなく、延命策に過ぎないので、来年の3月以降は競売や任売や倒産が大幅に増えることが予想されます。
不動産市場で、供給が需要を大幅に上回ると、不動産価格の値崩れや「全然売れない」現象が出てきます。
不要な不動産は早い目に処分しておくのが正解かもしれません。

逆にキャッシュ・ポジションを高めておけば、いい物件に出会える可能性が高くなります。
そのためにも資産の整理整頓を行い、活用できる資産のみにすべきだと思うのです。
「資さん」が「死さん」であってはいけないと思うし、資産だと思っていた不動産が実は負債であるということも考えられるのです。

持っていていい不動産は、実際に自分で使うものや、収益を生むものに限られると思います。
自宅もその人の考え方によって「所有派」と「賃貸派」に分かれます。
私自身は地域社会の一員としての自覚や、精神性の向上が図れるため、考え方としては「所有派」です。
会社や店舗や工場を所有するか賃貸するかは、それぞれの事情によって違い、一概にどちらがいいとは言えません。

ただ漠然と将来子供が戻ってきたら使うかもしれない不動産とか、全く使っていない郊外の土地などは、早く処分する方がいいと思います。
また、不動産からより大きな収益が生み出されるようにする工夫もぜひとも必要で、資産の組み替えも「幸せ繁栄生活」にとっては、かなり重要な作業だと思うのです。