太陽の概念は男性?女性?

ドイツ語ではすべての動詞が男性名詞、女性名詞、中性名詞に分かれます。
フランス語でも男性名詞と女性名詞があるようです。
英語にはそのような区別は一切ないので、世界言語になる過程で簡略化されてきたのだと思います。
日本の大東亜共栄圏がもっと定着していれば、日本語も簡略化への傾向が見られたのに違いありません。

ドイツ語で「太陽」(die Sonne)は女性名詞で、「月」(der Mond)は男性名詞と言うことを書きました。
感覚的には太陽は男性で、月は女性のような気がするのですが、フランス語では“やはり”そうなっているのだそうです。

先日、渡部昇一先生の本を読んでいたら、太陽が女性系なのは、「昼」(der Tag)という言葉が男性名詞で、それと対をなしているからだと書いてありました。
同じように「夜」(die Nacht)は女性なので、そこにある「月」は男性。
一応理屈は通るので納得していたら、フランス語では「夜」も「月」も女性なのだそうです。
やっぱり語学は理屈ではなく、一つ一つ覚えていくしか仕方がないのかもしれません。

今ハッと気がついたのですが、太陽の神様の「天照大神(あまてらすおおみかみ)は女性で、月の神様である「月読命(つくよみのみこと)」は男性なのです。
二柱ともイザナギの子どもで、アマテラスがツクヨミの姉になります。
ついでに言うとツクヨミの弟が須佐之男命(スサノオノミコト)です。

アマテラスやスサノオの物語は、古事記などにたくさん出てくるのですが、ツクヨミは誕生の記述以外はその後ほとんど出てこなかったように思います。
いずれにせよ、日本の神話では太陽は女性、月は男性なのでありました。