会社繁栄「掃除道」 その3

ある年配の人から聞いた話です。
その人は昔、大手企業の支店長をしていました(何の業種だったかは忘れました)。
その人が自分に課した支店長としての仕事は、オフィスを掃除すること。
朝早く出社し、2時間みっちりと徹底的に掃除したのだそうです。
支店のスタッフが揃う頃には、掃除はすでに完了し、気持ちのいい環境での仕事がスタート。
ただしこの人は掃除以外、全く仕事をしなかったとのことです。

それでもその支店は、全国でもベスト3に入る優秀な業績だったのだそうです。
掃除以外何の仕事もしないため暇なので、ほかの支店を見学に行ったり、タウンウォッチングに出かけたりしていたとのこと。
掃除するだけで優秀な業績が達成できるならば、誰だって掃除しそうなものですが、これがなかなかしないのですね…。

当社の向かいのビルに保険会社が入っています。
概ね朝が早いのですが、支店長によって出社時間が違ってきます。
以前は朝7時までに電気が点いていたのですが、ある時から8時前に点くようになりました。
きっと転勤で支店長が変わったのだと思います。
支店の業績もどのように変化をしているのか知りたいところですが、これはちょっと分かりません。
でも普通に考えれば、前の支店長の方が成績は良かったに違いありません。

当社はかつて、ビルの1階店舗で営業していたのですが、その真上の2階に引っ越しました。
面積も1階店舗の時の3分の1になり、あらゆる面で身軽になりました。
コストダウンもそうだし、何かにつけてシンプルなのです。
オフィス面積が3分の1になったのだから、掃除は楽勝と最初は軽く考えていたのですが、いざ掃除をしだすと、最初の頃は2時間では“なかなか”終えることが出来ませんでした。

週3回外部から掃除の「助っ人(すけっと)」に来てもらうことにし、その時は私はビルの外回りの掃除に向かいます。
つまり、以前は毎日やっていた道路や公園の掃除は1日おきということになりました。
「助っ人」の来ない日は、一人でオフィスの掃除に取り掛かっています。
掃除の終わりころになると、オフィスが良い「氣」で満たされてくるのが分かり、これがとてもうれしいのです。