年千冊の読書力 その10

読書をすると頭がよくなるというのは間違いがない事実ですが、読書家はやはり顔つきが違ってきます。
もっと言えば、目が光ってくるのです。
仕事ができて、本も読んでいる人は、実に魅力的な面構え(つらがまえ)をしています。
以前に結核で4か月も入院したことがあるのですが、本を読む人と読まない人の人間的なレベルの差は、ものすごいものがありました。

今までは仕事ばかりに打ち込んできたわけですが、今後は知的生活と霊的生活に軸足を移していこうと考えています。
business life から、 intellectual life と  spiritual life への移行です。
「仕事に一心不乱」の30代を持たないと、いい人生にはなりにくいと思うのですが、逆に50代後半でも同じようにバタバタとした動きをし”ゆとり”がないのは、ちょっと不自然かもしれません。

若い時には本業に打ち込み、人生の後半に備えて不労資産の元を作っておくべきだと思うのです。
年を重ねるごとに経験も智恵もついてくるし、気力もさらに充実していくのですが、体力は当然低下します。
自分が働けない分「不動産に働いてもらう」あるいは「株に頑張ってもらう」ことを目指すべきではないでしょうか。
ある程度の経済力を持っておかないと、人生の後半戦に豊かな知的生活を持つことができないのも事実です。

渡部昇一先生が若い頃、先輩の教授たちを見て、定年後もいい仕事をこなしていると、そうでない人との違いはどこにあるのだろうと考えたところ、その差は自宅に膨大な蔵書を持っているかどうかだったそうです(つまり個人図書館を築いてきたかどうか)。
本を書くこと一つとっても、手元に膨大な文献があるのとないのとでは、フットワーク(ブレインワーク?)が違ってきます。
今はインターネットがあるので、知りたい情報をさっと検索することができ、個人の膨大な蔵書は必要ないように思えるかもしれません。
しかしながら膨大な蔵書自体が、ひょっとしたら一つのエネルギー体となり、知的作業を後押ししてくれるような気もするのです。