社長の姿勢

不動産業界も例にもれず苦戦しているわけですが、業態により多少の温度差があります。
借入れをして多量の不動産物件を仕入れているところは大変。
私も前回バブルの時に経験があるのでよく分かります。

ビルの空室率も徐々に上昇し、ビルオーナー業も“うかうか”しておられなくなりました。
ファンドのようにバブリーな価格で購入し、テナントがつかないオフィスビルや賃貸マンションを所有しているところは、ちょっと手の打ちようがないかもしれません。
マンションデベロッパーや建売業も、相当厳しい状況です。

売買仲介業も契約数が減り、価格も下がっているので、手数料売上は損益分岐点を大きく下回っているはずです。
賃貸仲介も人の動きが少ないので、例年に比べ売上は上がりません。
とまあ、分譲業、賃貸オーナー業、仲介業とそれぞれに大変なのですが、唯一元気なのが賃貸管理業。
仕事は地味なのですが、収入が安定しているところが魅力です。

不動産管理会社を経営しているMさんと食事をしながらいろいろと話をしました。
Mさんはいたって誠実で真面目。
オーナーが物件を安心して任せられる人柄だと思います。
Mさんの会社の現在の管理戸数は約4,000戸。
会社から車で1時間以内を営業エリアとしています。
管理に徹し、客付けはほとんど他社に任しているとのこと。

以前はハウスメーカーからの紹介があったのですが、今はハウスメーカー自体が管理会社を設け、そのルートからの仕入れは全くなくなっています。
で、どうやって管理物件を増やしているかと言えば、不動産投資会社からの委託や農協からの紹介などだそうです。
今の時代でも管理物件の受託に意欲を燃やしていると、けっこう物件が取れていくとのことでした。

40名の社員(不動産会社としてはかなり多い)がいるのですが、社長のMさんは率先して受託活動に精を出し、まず自分がオーナーと面談するとのこと。
地に足がついた営業と経営姿勢が大変参考になりました。