このところ少し円高

個人消費や企業の設備投資が減ると、需要が減退します。
需要が不足した分、不況になるわけです。
そこでその不足分を政府支出で補おうとするのが財政政策。
金利の上げ下げや、通貨発行量の増減などの政策は金融政策となります。

ケインズ流の「有効需要の創出」は今のような厳しい不況に有効と言われています。
ただし国の財政に大きな負担をかけることになるので、上手く行った時はいいのですが、そうでない時は性質(たち)の悪いインフレがやってくる可能性があります。
特にアメリカなどはドルが基軸通貨なので、野放図にドルを印刷すると、後で“とんでもない”しっぺ返しが来るかもしれません。

そのしっぺ返しとは、ハイパー・インフレーションであったり、あるいは最悪「国家債務のデフォルト宣言」であったりするわけです。
その場合はドルも急落。
今日は1ドル96円ほどでした。
ちなみに1ユーロは129円ほどです。
このところまた少し円が高くなってきました(円の価値が上がるということです)。

私の子供の頃はずっと1ドル360円。
大学生の時に初めて308円になりました(スミソニアン協定)。
大学は経済学部でしたが、それ以降もあまり円の動きには別段関心を持たずにきてしまいました。
卒業後の就職も不動産会社だったので、円の動きの記憶がほとんどありません。
世界経済に興味を持ちだしたのは、ごく最近の話です。

株価は上場企業への評価そのもの。
企業の業績向上への期待があると株価は上がります。
同じことで、一国の経済に対する期待感は通貨為替に現れます。
強い円は日本経済に対する強い期待そのもの。
円高は日本経済への評価を意味します。

1ドル100円を切ると円高の感がするわけですが、戦前は1ドル2円だったと聞きます。
明治の始めに最初に設定した時は、1ドル1円だったのではないかと推測しています。
戦前1ドル2円だったのが、戦後360円になってしまったのは、戦争によってそれだけ日本経済がガタガタになったから。
ロシアも経済危機の後1ルーブル400円だったのが、1ルーブル2円にまでなっているので、一国の経済が崩れるとこれぐらいの通貨安はあっさりと来てしまうということなのでしょう。