東アジア経済と円

例えばアジアでEUのような組織(仮に実現すれば名前はきっと「AU」で、その通貨の名称は「アジアン」)が出来たとして、そこにラオスミャンマーが入って来た時のことを考えれば、各国の経済格差が大きなネックになることはすぐに理解できるはずです。

「東アジア」は日本、中国、韓国、台湾。
政治や軍事ではギクシャクすることが多いのですが、こと経済だけに絞れば、十分にうまくやっていけると思うのです。
もっと言えば、各国政府があまり首を突っ込まず、企業単位で連携していく方がずっといいように思います。
アジア各国の仲を良くさせないというのは、アメリカの方針(陰謀)だという説を聞いたことがありますが、確かにその方がアメリカにとっては都合がいいかもしれません。
しかしながら、せめて経済だけは「東アジア」で共存共栄していきたいものです。

いま世界経済の中で、重視すべき地域は「北米」・「EU」・「東アジア」で十分なのですが、注目すべき通貨は「USドル」、「ユーロ」そして「円」です。
今のところまだまだ「元」や「ウォン」の時代ではないと思います。
リーマンショック以降、円が突出して円高になってきたのは面白い現象です。
日本経済は未だ苦闘中で、胸を張って円高を誇れる状態ではないのですが、客観的に見て円が一番信頼できる通貨なのかもしれません。

日本経済がせっかくアメリカを抜こうとしていたのに「本当に世界一になっていいのだろうか?」という日本人の潜在的な心の躊躇が、バブル崩壊を招いたという説があります。
私もたぶんその説は正しいと思います。
いま仮に「1ドル50円」への腹をくくれるのかどうか。
戦前は1ドル2円だったのです。
そこに戻る可能性だってあるのです。
その時にあたふたせずに、どんと構えておられるのかどうか?
日本人の覚悟が問われているとも言えるのです。