円高は悪いのか? その3

せっかくの円高なのだから、なんとかこれを上手く活用していきたいものです。
日本の株が下がっていますが、ドルベースで見るなら、値段はそれほど変わっていないという人もいます。
日本企業の中には、海外の同業企業を買収するところが増えてきました。
円高だと海外の企業が安く買えるわけで、戦略としては理にかなっています。

あとは経営能力があるかどうかの話で、これは円高とはまた別の話となります。
ただ最初は下手でも、だんだんと上手くなっていくということは十分考えられることです。
仮に自分(自社)に経営力がないとしても、極端な話、ゴーンさんのような有能な経営者を雇うという手もあるのです。
世の中はますますグローバル化
もちろん日本から、世界で通用する経営者や投資家がどんどん出てくるのは望ましいし、またその可能性も十分あります。

円高不況どころか、円高大チャンス。
今でも円高になって喜んでいる企業も少なくないと思うのです。
でもそういうところは、目立たず黙っているので分からないのでしょう。
1ドル150円だったものが、仮に1ドル50円になったとしたら3分の1。
モノやサービスが3分の1で買えるとなれば、もうムチャクチャ安いわけです。
そうなると、この世は天国ではないですか。
そんなチャンスに「ぼうっ」としないで、日本人の持つ才覚をますます磨きあげていけば、世界に通用する経営者や投資家をいっぱい排出できると思うのです。

日本人自身がこのチャンスに気がつかなくて、一体どうするのかと思います。
政府は「円高は悪」と決めつけて為替介入しました。
かつて政府がバブル退治をして、日本経済を奈落の底におとし、国民の富を激減させ、その後15年間も塗炭の苦しみに陥れたことがあります。
円高阻止を目指す政府は、全く同じ過ちを繰り返しているような気がしてならないのですが、いかがでしょう?