円高・円安

先日ハワイへ行った時に感じたのですが、為替は1ドル100円ぐらいが一番ピタッと来るように思いました。
物価が日本の感覚とズレないのです。
今は大体1ドル100円(厳密に言うと102円)。
これぐらいが物価感覚的には、ちょうどいいのかもしれません。

リーマンショックのあと、ユーロが危機に陥り、その他の国の通貨もパッとせず、ドルが高くなりました。
円はそのドルをも上回って高くなっていきました。
1ドル80円を割り込み、70円台で推移していたこともあります。

円は戦後360円からスタートし、昭和46年のニクソンショックで308円になりました。
16.88%の切り上げ。
なぜこんな数字まで覚えているかといえば、私がちょうど大学の経済学部に入学した年だったので印象が強かったのです。
そのあと変動相場制に移行したのですが、そこで1ドル260円に。
そこからいったん1ドル75円近くになったあと、今の100円前後になりました。

今後どう動くかは分かりませんが、今の雰囲気では円安の方向でしょうか。
株式相場は円安だと上がり、円高だと下がるという傾向があります。
株式市場の気持ちは「円安歓迎」なのです。
ただし、原子力発電を止め火力発電に頼らざるを得ない今の状況だと、円安では石油を初めとする資源の購入で、日本の貿易収支がますます赤字になります。

円安だと輸出企業がホッと一息といった感があります。
輸出企業はリーマンショック以降の円高で鍛えられ、リストラも含め、より筋肉質の体質となっています。
従って円安に振れると、過去最高益が続出ということになります。

リーマンショックのあとの円高の時に、海外の企業の買収が日本企業によって続々と行なわれてきました。
海外の同業者をM&Aして、一挙に市場を拡大する動きがありました。
購入した海外企業を上手く経営する能力があるかどうかは別として、戦略としては正しいと思います。
円高は、海外企業の買収にとっては大バーゲンセールのようなものでもありました。

私のような街の不動産屋にとっては、円安円高は直接的にはほとんど影響はないのですが、だからこそ冷静な目で、今後もその動向を追っていきたいと考えています。
また「投資家」としては、次の一手を常に考えておかなければならないと思っています。