新しい言葉「PIIGS」

経済状態の悪いギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガルを称して「地中海クラブ」と揶揄(やゆ)することもあるようです。
あるいはポルトガル、イタリア、アイルランドギリシャ、スペインの頭文字を取って「PIIGS」という新しい言葉も出来ました。
ギリシャのデモのプラカードで「PIIGSがどうのこうの」と書いてあったので、ギリシャ人自身もこの「EU足ひっぱり連合」を自覚しているのでしょう。

ユーロは金融危機以前は、1ユーロ160円ぐらいしていました。
ユーロ高と好景気とで、ヨーロッパでちょっとまともなホテルに泊まろうと思ったら、日本円に換算して1泊10万円なんていうのはザラでした。
宿泊でも食事でも、ヨーロッパを旅行していると本当に高いと感じたものです。

今は1ユーロ120円ぐらい。
PIIGSクラブや、新しくEUに加盟してきた東欧諸国の面倒をEU全体で見なければならないとしたら、まだ下がる可能性があります。
しかしながらドルも“ともすれば”下がる方向に行きたがり、消去法で円が上がっていくのかもしれません。

唯一経済が好調とされる中国の元が上がるという話はあまり聞きません。
元が安い方が中国にとっては有利なのかもしれないし、あるいは中国政府が「そう思い込んでいる」だけなのかもしれません。
日本の円でもそうでしたが、一国の経済の基盤である通貨が変動するということは、天地変動に近いインパクトがあります。
私が子供の頃は1ドル360円。
それが今80円です。
日本人は円高にも不況にも慣れてしまいました。