ギリシャの財政危機

ギリシャ旅行を予定していた知人が、直前になって都合で行けなくなり、ガックリきていました。
しかし仮に日本を出たとしても、ルフトハンザ航空のストで空港で足止めされていたに違いなく、またギリシャに入ったら入ったで、ゼネストの影響で二進(にっち)も三進(さっち)もいかなかったに違いありません。
そういう意味でギリシャ旅行中止は、実は大ラッキーだったわけです。

そのギリシャではゼネストの原因となった財政危機があり、それが「ユーロ安」を引き起こしました。
ギリシャ経済がEUの足を引っ張るのではないかとの懸念があるからです。
ギリシャ経済はEU全体のGDPから見れば、3%ぐらいの規模しかなく、人口も1,100万人ぐらいの小さな国です。
メインの産業は観光。

ギリシャは以前から経済基盤も財政基盤も弱く、EUの他国と歩調を合わせるのは“やや”ムリがあったように思えるのですが、ここにきて、財政に「隠れ負債」が発覚。
粉飾決算は何も企業だけのものではなかったのですね。
EUではメンバー国の財政赤字GDP比で3%以内に収めるというルールがあるのですが、これから大きく逸脱していたわけです。

アイスランドの危機の際は、EUは自身の金融危機の火の粉を振り払うので精一杯でした。
従ってアイスランド援助にまで手が回らず、アイスランドは結局ロシアに助けてもらったという経緯があります。
今回ギリシャは、中国に国債の購入を要請したとの報道もあり、仮に実現するとEU内でのパワーバランスが微妙に歪(ゆが)みそうです。
もっともギリシャ社会党政権で、資本主義国よりも資本主義らしい中国が、その社会主義性を嫌うかもしれないという、ちょっと冗談のような構造があります。

財政を立て直すためには、財政支出削減や公務員の賃金カットや増税策が取られるわけですが、今回それに反対する労組によって24時間ゼネストが行われました。
ゼネストなどやっていたら、観光客がみんな逃げてしまいます。
観光業で生きているのに、自分の首を自分で絞めるようなことをして、いったい何をしているのかと思います。