「北米」と「EU」と「東アジア」

アメリカの国債保有高は中国が一番だったのですが、昨年末には日本がまた首位となりました。
いつのまにか中国がアメリカの国債をこっそり売り払っていたようです。
その中国では、いま間違いなく資産バブル。
不動産や株が急激な勢いで値上がりしているようです。
北京オリンピックの前に、いったんバブルが弾けたように見えたのですが、また膨らんで来ました。

その陰には中国政府による50兆円を超える公共投資や貸付金の量的緩和があります。
かつての日本のようにジャブジャブに余ったカネが、不動産や株に向かっています。
経済を活性化させないと社会争乱が起こるかもしれないという中国独特のリスクが、中国政府にとって強迫観念のようになっているのかもしれません。

中国は農村から起こった勢力が力を持ち、政体を変えてきた歴史があります(すなわち政変や革命)。
今の政体を変えようとする勢力を抑え込むのは、為政者である中国共産党にとっては当然の話。
漢民族の反乱だけでなく、現体制を脅かすチベットウイグルでの反乱はけっして許容できるものではないのです。
かつての清の為政者は満州族であって、漢民族ではないのですが、満州族がいま独立を求めているという話はほとんど聞いたことがなく、これはちょっと不思議に思っています。

政治や軍事のことを考えると、話がややこしくなるのですが、こと経済だけを見るならば、世界経済は「北米」と「EU」と「東アジア」だけに注目すれば十分です。
「北米」はアメリカとカナダ。
カナダ経済はアメリカの10分の1。
メキシコ経済は今のところあまり重視する必要はないように思います。

EU」はドイツ、フランス、イギリスを中心とした経済。
今はEUに27カ国が参加しています。
この域内では、ヒト・モノ・カネと企業が自由に行き来し、経済のスケールメリットを求めることが出来ます。
ただし最近は加盟国内での経済格差(経済の強い弱い)が目立つようになり、ユーロが少し揺らいでいます。