『降伏論』(高森勇旗・日経BP・1,600円)を読みました。
「できない自分を受け入れる」という副題がついています。
練習で何百万回とバットを振るような、過酷なトレーニングをしてきたのですが、結局、プロ在住の6年間で公式戦で打ったヒットはたったの1本(!)。
それが「もうこれ以上は頑張れない」と思うぐらい一生懸命に打ち込んだ結果でした。
野球をやめたあと、ある上場企業の創業経営者と食事をする機会があり「今の自分の年収の目標は3,000万円です」と言ったそうです。
すると創業社長の手が止まり、しばらく沈黙の間(ま)がありました。
「しまった!創業社長相手に、調子に乗って少し大きなことを言ってしまったかもしれない」と、ヒヤヒヤしながら創業社長の次の言葉を待ちました。
すると相手から出てきた言葉は「夢、小さいですね」だったそうです。
プロ野球に同期で入団し、超一流選手になった友人から言われた言葉は「お前の練習量は確かにすごかった。これまで見てきたどの選手よりもよく練習してきたと思う。でも、俺から見ると『そこ』じゃないんだよね。やれることはかなりあったと思うよ」。
で、著者が気づいたことは「私は活躍できなかったのではなく、活躍しないという道を知らず知らずに選んできたのだ」でした。
すべては心の根本の問題だったわけです。