中卒か高卒かは忘れたのですが、学校を出て工場で働き始めた人がいます。
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これまた旋盤か溶接かは忘れたのですが、本人の努力もあり、たちまちのうちに腕のいい技術職人になりました。
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普通はその会社の一職員として働き続けるのですが、何かのキッカケで、その人はその工程を「請負う」形で働くことになりました。
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雇われではなく、一人親方といった形態です。
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次第にもっと大きな工程を任されることになり、自分だけでは賄(まかな)いきれないので他の職人も採用し出しました。
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ある時、大きな施設の建築作業に「50人の腕利きの職人を集めてほしい。その代わりその工事はすべて君に任せる」という話が舞い込んできました。
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ある工程に職人やスタッフを、外部からゴソッと投入するケースがあり、それを「のっこむ」と言うのだそうです。
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小さな請負で始めたその会社も、今は1部上場会社になっています。
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その人はズバ抜けて仕事ができる人であることは間違いがありませんが、そんな人でも会社設立後、幾度も経営危機に面したりして、経営というのは途轍もなく難しいものだと改めて思います。
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今のお話は工場での請負ですが、ひょっとしたら今後(コロナ後)ホワイトカラーの世界でも、請負システムがかなり持ち込まれるのではないかと感じています。
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コロナがなければ決してできなかった壮大な実験がテレワークです。
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やってみたら「意外にイケる」といった感想が多いようです。
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同時に普段はあまり分からなかった社員の能力差というが見えてきました。
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この際「能力給」なんてものではなく、いっそのこと「請負」にしてしまうという方法もあるのかもしれません。
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会社の中でいっぱい個人事業主が働いているという形になります。
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またその個人事業主が、その会社以外の仕事も受注できるようにすれば「副業解禁」なんてものを遥(はる)かに超えたシステムになりそうです。