妄想善用

禅の言葉に「莫妄想(ばくもうそう)」というの
があります。
「妄想するなかれ」という意味です。
頭の中で浮かぶ雑多な妄想を、禅の力で断ち切る
わけです。

「妄」の漢字は「女」に「亡ぶ」と書きます。
夜遊びが激しくて会社を潰した人は何人もいますが、
会社どころか、皇帝が1人の女に入れ込んだがために、
国が滅びた実例が中国史にはいくつも出てきます。

異性問題には気をつけなければいけないのですが、
最近は「同性問題」で世間を騒がせる人も出てきて、
ややこしい時代になりました。

さてその「妄想」ですが、悪い方向にではなく、
いい方向に使ってみようと思うのです。

潜在意識は現実と夢との区別がつきません。
(もっと言えば、自分と他人との区別もつか
ないのですが)

ならば、現実と妄想との間の「混沌としたところ」
に自分の意識を置けば、案外面白いのではないかと
考えるようになりました。

私は65歳なので、サラリーマンで言えば完全退職
していてもおかしくない年齢です。
生活のために働かなければいけないということも、
もうあまりありません。

だったら今後は、マジメさからちょっと離れ、
いい意味での「妄想力」をもっと活かしてみよう
と思うのです。

漫画の主人公がどうなっていくかの筋書きは、
漫画家次第でどうにでもなります。

ならば、自分が主人公である、自分の人生なのだ
から、自分で好きなように筋書きを作ればいいと
思うのです。

世間体とか「生活のため」とかいった枠組みをハズ
して、ワクワクするストーリーを描いてみるのも
悪くないではありませんか。

暴走族ならぬ「妄想族」なのであります。