3回のバブル

不動産(というか、経済)のバブルは、私が社会人

になってから3回ありました。

1回目は1989年をピークとする「資産バブル」。

2回目はリーマンショックで終焉した「ミニバブル」。

そして3回目が現在も進行中の「不動産投資バブル」

です。

1989年の大納会の日に、株価は38,915円という最

高値をつけました。

あれから30年も経つのに、いまだにその株価を抜

けていません。

私も30歳代の前半にバブルの雰囲気を存分に味わ

うことができました(そのあとは地獄を味わいました

が)。

バブルの最中は、それが永遠に続くような一種の

万能感に満たされるということも経験しました。

アリとキリギリスの話では、夏の間、遊びまくっ

ていたキリギリスは、冬になると死んでしまうの

ですが、バブルの時のウソップ物語では「冬は永

遠に来なかったのです」という落ちになっていま

した。

あるいは「キリギリスは生き残りましたが、アリ

は働き過ぎて死んでしまいました」というストー

リーもありました。

1989年バブルでは、不動産や株などの資産は大い

に値上がりしましたが、一般消費財の価格は安定

していました。

従って生活はしやすかったように思います。

バブル期に建ったビルなどの建物は、質感が極め

て優れており、もう少しバブルが続いていれば、

後世に誇れるような時代になっていたかもしれま

せん。

1989年の11月に不動産バブルはピークアウトを迎

えていたのですが、株はその12月に最高値をつけ

ています。

株は実体経済の半年先を反映していると言われて

いますが、不動産はそれよりまだ先を行っている

のです。

リーマンショックは2018年の9月ですが、不動産

の世界では2016年の後半にすでに焦げ臭くなって

いました。

つまり不動産市況を注意深く観察していれば、そ

のあとの株や経済の動向が、より早く分かるとい

うことなのです。

5年間続いた今回の不動産投資バブルは、昨年の

年末にピークアウトしたように思います。

スルガ銀行の件などもあり、苦しくなった投資家

が物件を売りに出して供給が増え、一方、融資が

付かないため購入の意欲が減退し、需要が減る可

能性があります。

ということは、不動産価格は下がっていくという

ことになります。

今までの経験上、そのあと株価も遅れて下がって

いくことが考えられます。

憶測ですが…。