バブルとドツボ

不動産業界に入って45年ほどになりますが、いろんな局面を体験してきました。

1989年を転機として、それまではインフレ、その後はデフレです。

ちなみに、この1989年というのは経済的・政治的に極めて重要な年で、日本のバブルのピークでもあり、また天安門事件(6月4日)やベルリンの壁の崩壊(11月9日)も起こっています。

日本では昭和天皇手塚治虫美空ひばりなど、各界の最高位にいた人たちが亡くなっています。

平成もこの年から始まり、消費税も実質この年から施行になっています。

それ以降、あれだけ輝いていた日本経済だったのに「失われた20年」が続くことになります。

「『消費税を廃止すれば、かつての元気な日本経済が戻る』なんて単純なものではない」という意見は多いと思いますが、案外、真理は単純で、消費税廃止で元気な日本が戻って来ると、私など本気で思っています。

不動産業のバブルは大体15年に1度やって来るようです。

私が体験したのは3回。

昭和末期の大バブルと、リーマンショック前のバブル、そしてアベノミクス・バブルです。

それぞれの時点で、大儲けするのは意外に簡単なのですが、バブル崩壊から逃れるのが至難のワザであります。

バブルの渦中にいると「バブルは永久に続く」と錯覚するのです。

ちょっとマトモに考えれば、そんなことはないに決まっているのですが、世の中がみんな頭に血がのぼっている中で、1人冷静になろうとしても、自分だけがアホでオカシイような気がするのです(体験者談)。

バブルに乗ってしまうのは仕方がないとしても、最後のババをつかまないようにしなければなりません。

が、それができる人は1%ぐらいではないでしょうか。

ならば最初からキャピタルゲインは狙わず(つまりバブルには乗らず)、インカムゲインだけで行くと決めている方が「いい人生」になりそうな気がするのです。