過去ではなく、未来を見よう!

「経営・人生統合計画書」は、会社のことも自分のことも両方とも一緒に考えることが出来るので、単なる「経営計画書」よりもずっと実践的です。
しかし社員がたくさんいる会社だと、社長の生活まで書いた経営計画書なんてありえません。
「経営・人生統合計画書」を書けるのは、零細企業ならではのメリットだと、最近気づいた次第です。

当社は父親の代では土木造成業だったのですが、私の代で不動産業に転換しました。
私が28歳の時です。
以降36年間悪戦苦闘してきました。
不動産業に転じたのはいいのですが、売買仲介業を始めてしまい、本当に休みもなくバタバタと働く羽目に陥ってしまいました。
休みも土・日ではなく、水曜日のみで、休みの日は家族サービスどころか、疲れて動くこともできませんでした。

その頃は社員が増えていくのがうれしくて、今から思えば「会社ごっこ」に夢中だったのかもしれません。
売上げを増やすためにも人脈を広げることに注力していました。
色んな会合や勉強会や異業種交換会やパーティーに顔を出し、スケジュール表を真っ黒にし、毎日ヘトヘトになりながら動き回っていました。

振り返ってみれば、それらの動きは95%がムダだったような気がします。
今から思えばそんなことに力を入れず、社員数も増やさず、自社で持つ収益物件を少しずつ増やしていく方向に頑張っていけばよかったのです。
自分の最も働き盛りの30代後半から40代をバブル崩壊後の処理に使わざるを得なくなり、うしろ向きの業務に10数年をムダにしてきたような気もします。

しかしながら、それもまた人生の肥やしになっているかもしれず、もう過去の自分は気にせず、すべて許したいと思っています。
36年も経営してきて、大きな会社にはならなかったのですが、ある程度の収益資産は確保できたように思います。
途中で倒産しなかっただけでも儲けものなのに、毎月安定した収益が確保できる態勢が出来たのは奇跡のようなものです。

今になってやっと自分が目指すべき道が見えてきました。
自分には経営の才能がそんなにないということや、何か新しいことをつくりあげていく起業家タイプではないという事実を、素直に受け入れたいと思っています。
が、ものごとを粘り強くやっていくことは、比較的得意だということも認識しています。

私は「95歳までバリバリの現役で働く」のを目標にしているので、まだ30年もの時間があります。
今からは、収益を生み出す資産をコツコツと増やしていく路線を、進んでいこうと思っています。