「経営・人生統合計画書」

優秀な会社ほど「経営計画書」(名称は色々と違うかもしれませんが)を毎年作成しています。
経営コンサルタント一倉定先生によると「経営計画書」を作成せずに経営するのは、海図を持たず航海するようなものだとのこと。
行き当たりばったりの経営ではダメなのです。

経営計画書には社長の意志が入ります。
「どんな会社になりたいのか?」や「どういう方向に会社を持っていきたいのか」や「いくら儲けたいのか?」を計画書に落とし込んでいきます。
仮に期末に1億円の税引き前利益を計上したいのなら、まずそれを決めてしまい、しかる後に他の数字を入れていくわけです。

そうすると毎月いくらの売上を挙げなければいけないかが数字で出てきます。
またその売り上げを達成するための方法も考えなければなりません。
そのようにして経営計画書は段々と具体性を持ってくるようになります。

が、たまに根拠のない数字を入れていくことがあり、ちょっと心理的な抵抗を感じる時があります。
将来のことはホントのところ、誰も分からないからです。
不動産業の場合「賃貸管理業」は安定した収益が見込まれるので、計画書に書き込んでいきやすいのです。
しかし売買仲介業になると、いくら契約が上がるかなんて全く分かりません。
今月たくさん契約が上がったとしても、来月契約が上がる保証は全くないのが売買仲介業でもあります。

以前に「10年後計画書」を作成したことがあります。
これは書いた後は封を切らずに、10年後に開けて見てみようということにしていました。
すると会社のことで書いていたことはほとんど実現しておらず、自分の個人のことを書いた計画は全部達成していました。
それも100%達成ではなく、200%以上の達成でした。

このときに思ったのですが、会社のことは予想が難しく、個人のことは簡単だということです。
今度経営コンサルタントと面談するにあたり、その事前作業として、経営も仕事も生活も人生も、すべてを一つにまとめた「経営・人生統合計画書」を作成中です。
会社の規模が一回り小さくなり、個人と会社とを区分せずに、ゴチャッと一緒に考えることができるようになったからです。

一応完成したあとも、何回も見直し、見直すたびに追加や訂正を行っています。
すると、徐々に計画が具体化し、自分自身でも納得できるものに仕上がってきました。
その計画書により、会社や自分が5年後どうなっていたいのかもハッキリし、逆にまた明日どうすればいいのかもわかるのです。
どうしてもっと早くこういった計画書を作らなかったのかと、ちょっと悔しい気もしています。