マンガの力

若い頃は小説をいっぱい読んでいたのに、いつの頃からか、気がつけば全く読めなくなっていました。
これはどうも私だけの現象ではなく、ほかの読書好きの何人かの人たちも同じようなことを言っているのを聞いたことがあります。
私が最後に小説を読んだのは『赤毛のアン』なのですが、それは英語の勉強の意味あいがあり、日本語ではなく英語で読みました。

ということで、自分はノンフィクションしか読めないと思い込んでいたのですが、最近意外な形でフィクションを読みだすようになったのです。
それは実はマンガなのです。

海外の書店を覗いたとき、日本の漫画のコーナーが必ずあるのです。
そこで『One Piece(ワンピース)』や『Naruto』といったマンガを目にしました。
ちょっと「日本の誇り」といった感じもしました。
が、「いい年した中高年男性がマンガなどを読むのは世間体が悪い」といった気持ちが強く、長い間マンガを無視してきました。

しかしながら、どういった経由からか忘れたのですが、『ドラゴン桜』を読みだし、完全にハマってしまいました。
本当に面白かったのです。
そこから少しづつマンガを読みだしたのです。
私のまわりにはマンガを読んでいる人がいないので、どんなマンガが面白いのかはインターネットを参考にしました。

深夜食堂』も面白かったし、東村アキコさんの『かくかくしかじか』や『東京タラレバ娘』ものめり込む面白さがあります。
ドラゴン桜』の作者の三田紀房さんの別の作品『インベスターZ』も相当面白いのです。
島耕作シリーズ」の弘兼憲史の『黄昏流星群』を読んだ時も「こんな世界があったのか!」と目からウロコ状態でした。

原泰久さんの『キングダム』を読み、久々に血沸き肉躍る思いをしました。
その流れで横山光輝の『三国志』や『項羽と劉邦』を購入し、読み始めました。
期待は全く裏切られませんでした。
マンガではあるのですが、中国古代史のことが実によく分かったのです。
今でも使われる故事の言葉は「あっ、このエピソードから来ているのだ」と知ることが出来ました。

例えば「泣いて馬謖を斬る」とか、「四面楚歌」という言葉が生まれた背景(史実)のことが、とてもよく分かりました。
自分が興味を持ち出すと、それに関連したマンガ以外の本も読みだします。
今では私は、中国古代史のちょっとした「通(つう)」なのであります。