外国語は面白い

いくつかの外国語を並行して学んでいると、各言語が持つ面白い表現方法に出合います。
数字一つとっても、フランス語などではビックリする読み方をするのです。
例えば「73」をフランス語では「60と13」と言います。
「77」なら「60と17」です。
「80」に至っては「4つの20」と言い、「98」なら「4つの20と、18」となります。

ドイツ語も二桁以上の数字の場合、十の位よりも一の位の方を先に言うのです。
例えば「29」だと「9と20」、「78」だと「8と70」といった具合です。
最初は奇異に感じていましたが、最近は何の違和感もありません。
フランス語やドイツ語と比べると、英語の数字の読み方は実に「真っ当」です。

日本語の本来の数字の読み方は「ヒー、フー、ミー、ヨー、…」ですが、「イチ、ニイ、サン、シー、…」という読み方は、中国語の発音によく似ています。
それもそのはず、1,500年ほど前に中国から入ってきた読み方のようなのです。

前にも書いたのですが、中国語には「イエス」、「ノー」を表す言葉がありません。
だから会話では実に困るのです。
中華人民共和国では漢字を略字にしてしまいました。
字を読めない人たちが多かったので、漢字を簡単にして識字率を高めようという試みだったのですが、むしろ過去からの文化の断絶をもたらし、弊害の方が多かったのではないかと思います。
台湾や香港では昔からの「正当な漢字」を使っているので、私などは何となくホッとしてしまいます。

中国語ではローマ字で漢字の読み方を表しますが、「e」は「エ」ではなく「ウ」と発音します。
面白いことにフランス語でも「ウ」と読むのです。
「ü」の発音は、口を尖らし、腹筋を使って強く「ユィー」というのですが、これは日本語はおろか英語にもない発音です。
が、ドイツ語、フランス語、中国語のそれぞれにあることを知り、ビックリした覚えがあります。

ついでに言うとフランス語の「i」は「イ」ではなく「ア」と発音します。
私も最初のうちは必ず間違って発音していました(フランス語を難しく感じる理由の一つだと思います)。
またフランス語は最後の文字を発音しないことが多く、単語の最後に「s」がきても、それを発音しません。
英語だと複数形に「s」をつけるので、必ず「s」を発音してしまい、これも初めのころはよく間違えました。
英語のネイティブも私と同じ間違いをゼッタイしているはずです。