日英同盟

第2次世界大戦の「おわび」とか「反省」とか言うのですが、終戦からもう70年も経っているのです。
今90歳の人でも終戦時は20歳で、当時の責任世代とは決して言えません。
ということは、仮に戦争責任があるとしても、その時の指導者はもう誰も生きていないということになります。
つまり今の日本で、第2次世界大戦の責任者的立場にいる人は一人もいないと言ってもいいのではないでしょうか。

例えば昭和28年生まれの私に戦争責任があるかどうかと問われたら「全くない」というのが常識だと思うのです。
なのに、一体いつまで謝ればいいのかがよく分からず、ならば元寇だって立派な侵略で、その責任を追及したっておかしくないということになります。

現に日本はこの70年間1度も戦争に参加していないし、他国への侵略もしていません。
これが反省と言わずして何と言えばいいのでしょうか?
ずるずると私の子供や孫の時代にまで戦争責任を追及されるようなことはゼッタイ避けなければならないと思っています。

もし大東亜戦争で日本に悪い点があるとすれば「負けたこと」の一点に尽きると思うのです。
負けたがゆえに、すべて日本が悪いことになってしまいました。
なぜ負けたのかと言えば、まさに陸軍と海軍の驕り以外の何物でもありません。
ミッドウェイ海戦などでは、むしろ日本の軍事力の方が上回っていたのです。
「驕慢」と「ネルソン精神の欠如」が帝国海軍を壊滅へと追いやりました。

歴史のイフで「あの時こうすればよかった」というのがあるのですが、「日本が敗戦への道を取って返せなくなったのは、日英同盟の破棄だった」と岡崎久彦氏は喝破しています。
それ以外の要件はなんとかなるのですが「日英同盟破棄」をやってしまうと、あとはもう挽回する手がないのだそうです。

日英同盟は1902年に結ばれ、日本は1904年〜1905年の日露戦争に勝利しています。
また日英同盟の破棄は1923年で、それ以降日本は坂道を下るがごとく破滅への道を歩み始めました。
一方、イギリスも日英同盟をやめた後大きく国力を落とし、世界中の植民地もなくしました。
日英同盟は双方ともに国益に合致していたのです。

私などはもう一度「日英同盟」を結んでもいいのではないかと思っているぐらいです。
世界の世論は何故かいつもイギリス寄りなのです。
イギリスは経済力や軍事力からみても、超一流国というわけではないのですが、世界の主要な組織やグループには必ず絡(から)んでいます。
伝統ある外交力がその礎(いしずえ)となっているに違いありません。