和服での男性の第一礼装は黒紋付き羽織袴です。
いつもは洋服の略礼服を着て伊勢神宮に参拝しているのですが、一度第一礼装の和服を着て御垣内参拝をしたいと思っていました。
しかしそのためにはいくつものバーをクリアしなければならず、まずは羽織袴を手に入れなければなりません。
また例え羽織袴が手元にあっても、それを着こなすのは極めて難しいのです。
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そしてまた仮に着ることができても、その姿で外宮・内宮を回っていけるかどうかが疑問です。
以前に月読命(つきよみのみこと)や倭姫(やまとひめ)の別宮も回った時、歩数が1万3千歩だったことがあります。
外宮・内宮だけだと、たぶん1万歩ぐらいになるのではないでしょうか。
それだけの距離を着物を着て、草履(ぞうり)で行けるかどうかです。
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結論から言うと、私の願いは「あれよあれよ」という間に実現してしまったのです。
羽織袴をどこで買ったらいいのかも分からなかったのに、京都の老舗の呉服店とご縁ができました。
400年以上の歴史があるお店です。
すべてお任せで、羽織袴のみならず扇子や足袋や草履まで一式そろえることができたのです。
ただし羽織袴が出来上がるまで、注文してから2か月ぐらいかかりました。
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冬の寒い季節はコートなしでは無理なので、着物用のコートがなければ“やはり”参拝は出来ないだろうと考えていたら、何と3日ほどでコートも届いたのです。
こうなるともう羽織袴で行かない理由がなくなってしまいました。
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着付けのほうは、いまだに覚束ない(おぼつかない)ところがあるのですが、もう四の五の言っておられません。
実際に歩いてみると、羽織袴姿で草履でも、あの長い距離を意外に簡単に歩き通せたのです。
外宮でも内宮でも多くの参拝客がいましたが、着物姿は男女を含め私だけだったように思います。
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いい参拝をさせていただきました。
外宮での早朝の御垣内参拝では、感謝の気持ちが心の奥底からこみあげてきて、目頭が熱くなりました。
豊受大御神はいつも歓迎して下さり、私の大好きな神さまでもあります。
それにしても潜在意識に「羽織袴姿での神宮参拝」をインプットしたら、こんなに早く実現してしまうとは思いもよりませんでした。
神さま絡み(からみ)だったので、潜在意識も頑張ったのかもしれません。