一極集中化の波に乗る

消滅する自治体というのが日本に900ほどあるそうです。
ただしこれは人が完全にいなくなるという意味ではなく、若い女性の数が減って、近い将来人口が1万人を割り込むことにより、自治体としての機能が成り立たなくなるという意味だとのことです。

小さな自治体は日用品の買い物や医療や役所の機能を街(村)の中央に集める動きをしていかないと、今後は住むことが困難な街になってしまうのではないかと危惧します。
10万人や20万人の街でも、街の中核となる場所を形成させないと、街全体の発展は難しいようにも思います。

どの地域でも、意図するか意図しないかは別として、一極集中化へ向かっているような気がしています。
日本で言えば、東京への一極集中化。
東北で言えば仙台への一極集中化。
九州で言えば福岡への一極集中化等々です。
もっと小さな街でも、街の中心部の「駅近」に集中する動きが見られます。

個人の家でも、家族が少なくなれば家を「減築」した方が住みやすくなるのと同じで、街全体を小さくまとめてしまうというのも、生き残っていくための一つの手でもあります。
大きな家での草むしりや掃除の労力はハンパではありません。
同様に、街をコンパクトにまとめると、行政効率や街の「盛り上がり方」が違ってきます。

地価は正直で、多少のタイムラグはあるものの、その土地の実力を見事に反映しています。
平成になって起こったバブル崩壊後、東京の土地は上がったり下がったりしていますが、地方の地価は概ね下がりっぱなしです。
同じ地方でも、街の中心部の駅近の土地の値段は値崩れせずに来ていても、郊外は年々下落する傾向が見られます。

アメリカには人が住まなくなったゴーストタウンが数多くあります。
ゴーストタウンが外国の話かと思っていたら、日本でも都市近郊で昔つくられた分譲地で、そういった危機が忍び寄っているリスクがあるのです。

個人投資家の間で収益不動産を取得することが一種のブームになっていますが、少なくとも郊外よりは街の中心部に、特徴のない街よりは中核都市に、地方よりは東京に投資すべきだと思います。
いま現在の利回りを追って、地方のボロ物件を購入するのは、あまりにもリスキーです。
何が言いたいかと言えば、不動産は出来る限り「一極集中化」が起こりそうなところに所有すべきだということなのであります。