後悔先に立たず

ここ数年の当社の課題はダウンサイジング。
事業内容も規模も内部組織も、随分と絞ってきました。
ここにきて漸(ようや)くイメージがハッキリし、将来像が見えてきた感があります。

個人的にも「やるべきこと」を絞り込み、一つ一つの達成度を高めたいと思っています。
時間当たりの密度という意味では、30代40代50代よりずっと濃くなっている自信があります。

「時間食い要因」をいかに取り去っていくかが、今後の物事の成否を左右すると思うのです。
まとまった時間をつまらない用件で細分化してしまい「結局何もできなかった」では悔しいではありませんか。

30代の時の私の手帳は、バブルだったということもあり、予定で真っ黒でした。
手帳といってもB5サイズの大きなもので、かなりの情報量を書きこむことができます。
今は1日の予定が1つか2つ書かれているだけです。

時には予定が全くない日もあるのです。
しかも何も予定が書かれていない時のほうが、いい仕事ができるという不思議な状況になっております。

B5の手帳は捨てずに全部保存しているので、いつどこへ行ったかなどはすべてわかります。
今までの数十年分の手帳が書斎の棚にズラリと並んでいるのですが、一種のオーラが出ており壮観でもあります。

この数十年、自分が本当にやりたいことをやってきたのだろうかという疑問が拭(ぬぐ)い去れません。
家族のこともほとんど顧みず、悪戦苦闘というか、ほとんど「もがき」苦しんで会社のことばかりやってきたのが、本当に良かったのかどうか?

また経営自体も、どこかで方向を間違ってしまったように思います。
しかしながら今頃反省しても詮無きこと。
途中で倒産せずにここまで来ただけでも「よし」とすべきなのかもしれません。
今後は自分の理想に向かって歩んでいくのみです。

自分が本当にやりたいこともやらず、ハッと気がついたら還暦になっていたわけで、とてもじゃないけど、ここでリタイアなんかしておられないのです。
二十歳(はたち)以降、今まで何をしていたのかよく分からない40年間でした。
だからこそ、これからの40年間は悔いのない生き方をしようと思っているのです(40年たてば100歳になります)。