本気で「やる気」

会社の事業において「何をするか」は勿論(もちろん)大切ですが「何をしないか」も極めて大事なことではないかと思うのです。
当社は「建築には手を出さない」を貫いてきました。
また基本的には宝塚市以外では仕事をしないと決めてきました。
借入れが必要な事業は行わないと決め、これもここ20年ほどは守っています。

今から思えば、これらの「節操」を守っている間は、会社は比較的安泰だったのですが、バブル時にちょっと欲を出して手を広げたら、とんでもない目に遭ってしまいました。
「何をしないか」を決めることは、会社が持つヒト・モノ・カネという資源の集中活用のためにも必要なことだと思うのです。

長い年数を重ねて事業を継続している場合、足し算よりも引き算で事業を見直すほうが、経営的にはずっといいと思います。
一見儲かっているように見えて、よくよく計算したら実は赤字だったという分野もあると思うのです。
長い間に垢がこびりついているのです。
赤字まで行かなくても、そこから手を引き、余った会社資源を別の分野に集中させる方が、遥かに効率的であるケースも多いはずです。

当社ももう一度エリアをキッチリと限定し、その中でのパワーアップを本気で目指そうと思います。
理想のエリアは、自社から歩いて行ける範囲。
移動に使っている時間は「仕事」ではないのです。
エリアの見直しだけでなく、事業の見直しや、ヒト・モノ・カネの見直しも勇気を持って行っていきたいと思うのです。

もう32年間も会社経営をしています。
掃除のお蔭でB/Sは多少ゆとりが出来たのですが、経営技術という点ではまだまだです。
32年間の間に何度も気持ちがダラケたり、驕(おご)り高ぶったり、やる気をなくしたりもしました。
しかし今は「やる気」満々です。
せっかくビジネスに携(たずさ)わっているのだから、経営の神髄を追求したいと思うのです。

このままでは死ぬ時に悔やんでも悔やみきれません。
これだけ恵まれた環境を与えられながら、この程度の業績では神様に対して申し訳ないのです。
自分だけのためでなく、信頼する仲間や世の中のためにも思いっきり頑張ろうと思うのです。